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「暮らしとものづくり」を伝える – 秋岡芳夫が取り組んだ「手仕事の復権」を通して、暮らしと地域のあり方を創造する

47那珂 琴絵さん道東

配信日

那珂 琴絵オケクラフトセンター 森林工芸館 どま工房研究員

学芸員

1988年生まれ。北海道江別市出身。
札幌市立高専、旭川技専にて木材加工をメインに学ぶ。
卒業後、平成25年から現職。
工業デザイナー故秋岡芳夫が収集し、北海道置戸町に寄贈した資料「日本の手仕事道具 -秋岡コレクション」の研究・分析と、資料を活用するための企画立案・運営を行う。
令和元年より、地域の子供たちにふるさとの魅力を伝える「ふるさと教育」の一環として、秋岡コレクションを伝える出張授業を実施。

【日本の手仕事道具 -秋岡コレクション】とは
日本の手仕事道具-秋岡コレクションは、日本の工業デザイナーとして活躍した秋岡芳夫さん(1920-1997)が、半生をかけて収集した大工道具をはじめとする手仕事道具や、遊山弁当などの生活用具6,500点、関連資料や執筆資料、映像資料など11,320点、合わせて約18,000点からなる資料です。
秋岡さんは、工業化社会の中で失われていく手の技、特に優れた日本の木工技術に注目し、これらの道具を未来へ継承するとともに、人間が持つ五感に秘められた無限の可能性を信じ、職人たちの技を支えた道具と、技から生み出された生活用具を通じた、「手仕事の復権」をライフワークとして取り組みました。
秋岡コレクションを通して、今後も使い手と作り手の心を繋ぐ手の仕事文化の情報を発信し、温かさを感じ合える暮らしのあり方、地域のあり方を創造していくために、この貴重な資料を活用していきたいと考えています。

置戸町の「オケクラフト」は、サステナブルデザインの先駆者・秋岡芳夫さんが命名者であり、「北国からの新たな生活文化の発信」というグランドデザインから生まれた地域クラフトブランド。那珂さんは北海道置戸町で秋岡さんが取り組んだ「暮らしとものづくり」を伝えている。 暮らしと仕事の関係に関心が高まる今、改めて学びを深めたい。