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「島のためになれば」と立ち上げたNPO法人から株式会社へ –転換点は「自分の事業」としたこと

93三田 かおりさん佐賀県

配信日

三田 かおり株式会社リトコス 代表取締役

2020年にNPO法人リトコスを、2021年には株式会社リトコスを設立。耕作放棄地のイノシシ被害や人口減少など、深刻化する課題を解決するために、唐津市の離島で育てた 素材をオーガニックコスメの原料として活用するビジネスモデルづくりに取り組む。
この時代の土地、モノ、コトを次に繋ぐという本質的な課題解決を目指し社会課題の解決型ビジネスを創れるよう活動している。
https://retocos.com

佐賀県唐津市の8つの離島で、畑や耕作放棄地を利用して各島で特色のある植物を栽培し大手企業などに原料提供を行う「Retocos」を経営する三田かおりさんがゲスト。「島に仕事を生み出し、活性化につなげたい」という思いで起業した三田さんは、コスメやスタートアップの分野でさまざまなアワードを受賞している。離島といっても船で10分程度しか離れていないアクセスの良い島の耕作放棄地全てを管理しさらに有機農産物としてJAS認証を受けたり、収穫量が少ないからこそ顔の見える丁寧なものづくりでアピールするといった冴えた手腕に驚く。が、生産に関わる畑仕事のみならず、個人向けの香り作りワークショップや企業向けのビジネスツアーなども三田さん自身が切り盛りするそのバイタリティが一番のビジネスの元手と感じた。その元になっているのが島や島の人々への思いだ。当初、島のために、繋がりや生態系、経済システムを再生したい、と自らが立ち上げたNPO法人でRetocosを運営していたが、さまざまな思いや「正しさ」がある中、全方向に島のためになることをするのは難しいと理解し株式会社として事業化。賛同する人々と成果を生むビジネスづくりに取り組んでいる。一方、NPO法人も残し、1年を通じて唐津の小学生を島で預かる「離島留学」を受託。ビジネスだけでなく、島の人々や環境を未来につなぐ関係を生み出している。Retocosのプライベートブランド「あはひ」の由来である自然界と人間界の間にある境界領域の話など、その地に循環・還元するビジネスがどのように生まれるのか、手触りやかおりまで感じることのできる回。