SANSUIGO CHANNEL

まちを作る30万人それぞれが持つ”らしさ”や物語が”まちの力” ーローカルメディアから始まった「まちの編集室」は、いまや「まち」そのものを編集する

85木村 敦子・水野ひろ子さん岩手県

配信日

木村 敦子・水野ひろ子株式会社暮らしカウンシルまちの編集室

アートディレクターライター

木村 敦子(きむら あつこ) 
アートディレクター、株式会社クラシカウンシル取締役
屋号「kids」として紙媒体を中心としたデザイン事務所を営む傍ら、2005年、有限責任事業組合まちの編集室メンバーとして地域誌『てくり』創刊、以後継続発行。デザインと編集を軸に、イベント企画、コーディネーター、ものづくりプロデュース、セミナー講師なども行う。
JAGDA(日本グラフィックデザイン協会)展覧会委員、盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校非常勤講師、岩手ADC事務局など。

水野 ひろ子(みずの ひろこ) 
ライター、株式会社クラシカウンシル代表
大学卒業後、盛岡市内企業に就職。薬品卸会社、就職情報誌会社、TV制作会社にて編集企画、営業職を経て、退職。
出産を経て、編集者およびライターとしてフリーランス業に。同時にまちの編集室メンバーとして「てくり 」および編集物の制作に関わり、現在にいたる。
2020年木村とともに、合同会社クラシカウンシル設立。2021年、株式会社に組織変更。手紡ぎ手織りの学校 Looms運営、伝統工芸振興、
商品開発や販路展開、羊にまつわる活動に巻き込まれている。

株式会社クラシカウンシル
盛岡の地域誌『てくり』 のメンバーによって、2020年12月に設立されました。その事業内容は、「伝統工芸の産業振興及び普及、技術伝承・工芸品の開発製造、地場産品等の販売事業」等を主に、教室運営やイベント企画などを行っています。
2005年に発行された『てくり』は、17年にわたって様々な生業に携わる人の物語を取材してきました。以来、“盛岡のふだんを綴る本”というキャッチフレーズを掲げ、年2回のペースで自分たちが気になるヒト、モノ、コトを、広告にとらわれない形で発行しています。そんな中、盛岡に息づく工芸であるホームスパンを取材する機会が何度かあり、各工房と親しくなるにつれ、商品開発やイベント運営の機会が増加。盛岡をベースにした『てくり』の出版と別に、より広域的活動をすべく立ち上げたのが株式会社クラシカウンシルなのです。
出版物を通した情報発信から、より直接的なモノを介したリアルな生活提案へ。『てくり』を継続してきたまちの編集室の視点を生かし、デザイナー&ライターならではの目線で、生活に新しい価値創造をしていきます。
願うのは、未来を担う子どもたちが、地域に受け継がれる工芸や手仕事を「知る、つかう、つくること」で、誰かの選択を受け入れるだけでなく、自分自身の五感と手で生活を選び、考え、自らに合ったスタンダードを心に携えていくこと。それを次世代に求めるには、自分たちを含む大人もまた、学びの機会が必要です。私たちは、これまで培った作り手との関わりを基軸に、あらゆる人が地域に受け継がれる工芸や手仕事を「知る、つかう、つくる」機会を創出していきたいと考えます。

岩手県盛岡市から、デザイナーの木村敦子さんとライター・エディターの水野ひろ子さんをお迎えした。 フリーのデザイナー、ライターであるお二人は「まちの編集室」として2005年から地域ミニコミ誌「てくり」を発行されている。近年では荒廃農地の草刈りや景観整備のために飼育されている羊の羊毛を岩手の伝統的手工業である「ホームスパン」によって商品化する事業「i-wool」をプロデュースするなど、地域ビジネス&循環型コミュニティのモデリングや、全国の伝統工芸や手仕事の作家を集めたフェア「北のクラフトウェア」の運営などを手掛ける。 2021年から新たに株式会社として活動開始した「クラシカウンシル」などを通して、編集を通してまちや人と交わってきた20年間をうかがった。