SANSUIGO CHANNEL

「手段のために目的を選ばない」ー利益を出さない文化・音楽フェス「グッドネイバーズ・ジャンボリーGOOD NEIGHBORS JAMBORE 」は、場を共にする全員で作るフラットな”良き隣人たちのお祭り”

80坂口 修一郎さん鹿児島県

配信日

坂口 修一郎BAGN, Inc.代表

グッドネイバーズ・ジャンボリー実行委員会代表

東京と鹿児島の2つの拠点を中心に、日本各地でジャンルや地域を越境しながら数多くのプレイスメイキングを手掛けている。
1971年鹿児島生まれ。無国籍楽団ダブルフェイマスのオリジナルメンバー。2010年より鹿児島でクロスカルチャーな野外イベント〈グッドネイバーズ・ジャンボリー〉を主宰。BAGN(BE A GOOD NEIGHBOR) Inc.代表として現在は東京と鹿児島の2つの拠点を中心に、日本各地でオープンスペースの空間プロデュースやイベント、フェスティバルなど、ジャンルや地域を越境しながら数多くのプレイスメイキングを手掛けている。鹿児島の地域プロジェクト〈
一般社団法人リバーバンク〉代表理事。

鹿児島県南九州市川辺、明治期に地元の住民の手により建てられ昭和の終わりまで愛された森の中の小学校を舞台に2010年から開催されているGOOD NEIGHBORS JAMBOREEを主催者する坂口修一郎さんがゲスト。無国籍楽団Double Famousのトランペッターでもある坂口さんは、鹿児島市生まれ。音楽を志すなかで情報や体験が少ない欠乏感から上京、仲間と出会いデビューしビジネスを手がけ海外を視野にいれていた2008年、リーマンショックを経験。東京での仕事は派手で規模は大きいが、経済など自分と直接関係のない外部の影響で簡単になくなってしまうことを実感。東京で暮らすことの居心地の悪さも感じていた坂口さんは、故郷の鹿児島で自ら体験を作ることをした方が楽しいのではないかと思ったことをきっかけに活動に着手。今や映画や文化も情報としては手に入るが、フィジカルな体験が圧倒的に少ない鹿児島に、東京で得たネットワークを持ってくることで、思いがけないものに出会う体験、新しい世界が開ける機会を作ろうと始動した。当初はイベントは目的でなかった。鹿児島では実績も拠点とする場所もない。"手段がない"からフェスになった。演者と客、老若男女、障害の有無など、とにかく境界を取り払いフラットにしたい、みんなが持っているものやスキルを持ち寄ってつくるものにしたいと話し合い、それは「グッドネイバーズ、良き隣人たちの祭りだね」と2010年にGOOD NEIGHBORS JAMBOREEが始まった。250人から始まったフェスは2019年には2000人規模に。いまや川辺は50人以上の社会増となった。 フェスとコンサートの違い、利益を得ないフェスとはなんなのか、それを続ける中で得たことなど、10年以上の実践からの多くの学びが共有された。「手段のために目的を選ばない」ー 目的のために生きるのでなく、目的を変えながら、よりよく生きるプロセスを(楽しみながら)やり続ける、という大きなメッセージを受け取った回。